【宇治市】盆栽レンタルサービスって? 和の雰囲気や魅力を大事にするお店にこそふさわしい盆栽の魅力とは
今、宇治市で「盆栽レンタルサービス」が話題になっていることをご存じでしょうか? そのサービスを行っているのは、株式会社宵宮園さんです。
今回は、あまり聞き慣れない「盆栽レンタルサービス」について、代表取締役の齊藤 剛さんにお伺いしました。
ー盆栽レンタルサービスとは、具体的にどういった内容ですか?
弊社の盆栽レンタルサービスは、表現したい空間のイメージを伺いながら、ご予算ご要望に応じて、盆栽にしか表現できない空間をプロデュースするというものです。
短期レンタルで1日30,000円~、長期レンタルで1カ月70,000円~となります。
ー盆栽は基本「外で育てる」もの。室内に置く場合手入れが大変で、すぐに枯れてしまうとお聞きしましたが…。
はい。おっしゃるとおり、盆栽はお手入れが大変です。しかし、盆栽を置いていただくことで、その空間はガラリと雰囲気がかわり、お店の格をあげてくれる、すばらしいアートであることも、間違いありません。
そのため、レンタルサービスという形でご提供しているのです。長期レンタルでは10日程度で盆栽を入れ替えますので、ご利用くださる方のお手入れは、1日1回程度の水やりのみとなります。
万が一、途中で盆栽の様子がおかしくなった場合はメンテナンスを行ったり、場合によっては入れ替えも行います。
ー月70,000円とはいえ、ずっと同じ盆栽ではなく、3回も異なる盆栽を楽しむことができるんですね。そうなると短期レンタルより長期レンタルがお得ですね。
最初は短期でお試しくださり、実際の盆栽を見て、あらためてその魅力を実感し、長期レンタルに変更してくださるお客様もいます。
とはいえ、観葉植物や生花などと比べると高額なため、盆栽へのお問い合わせは多いものの、成約にはつながらない…ということもあります。
ー盆栽を、観葉植物や生花と比べてはいけませんよね! 私も、齊藤さんにお聞きして知りましたが…。
そうですね。育てる楽しみが味わえる観葉植物と、見た目の美しさを楽しめる生花、その両方を味わえるのが盆栽だと思います。
そもそも盆栽は、自然の樹木を鉢に植え、観賞用として美しく見えるよう、長い年月をかけて育てていく芸術作品といわれています。10年、20年は当たりまえ。樹齢100年、200年という歴史をもつ盆栽もあります。
盆栽を観るポイントは主に3つ。「一幹、二枝、三根張り(いちみき、にえだ、さんねはり)」といって、三拍子揃ったものを、良い盆栽といいます。
また、鉢の中に苔を敷き詰めたり、自然の石をあしらって同化させたりといった工夫もします。ひと鉢に表現されたすべてのものが、アートなんです。
ー自然のものに手を加え、何年もかけて作られたアートなんですね。価格は70,000円~となっていますが、盆栽の大きさや樹齢などによって値段が変わるということでしょうか?
そういうお店も多いですが、弊社の場合は大きさや樹齢は関係ありません。盆栽を置かれる地域や場所によって、運搬費や人件費がかかる分の費用をいただく形です。
大きな盆栽になると100kg以上の重量があり、一人で運ぶことはできません。また、大きなエレベーターがないと運べないなどの理由で、金額を設定させていただいています。
メンテナンスのこともあるので、基本的な対応地域は、京都を中心とした関西エリアに限らせていただいています。
ー私は、盆栽といえば松だけかと思っていましたが、他にもいろいろあるそうですね。
松は一般的ですが、桜や梅など花を咲かせて楽しむ盆栽もあります。長期レンタルの場合、「ちょうどよいタイミングで花が咲くので、まだ10日経っていませんが、今のタイミングで入れ替えましょう」とご提案することもあります。
花を咲かせる盆栽は、一般的な開花より、ひと足早いタイミングで咲くものが多いんです。そういった点から、季節を先取りしたいお店などにも喜ばれますね。
また、育てるのが難しいので、なかなか出回りませんが、いちじくなど実をつける盆栽もあります。
秋のもみじの盆栽も人気ですね。
ー聞けば聞くほど、盆栽って奥が深いですね…。齊藤さんは今後レンタルサービスを通して、どんなふうに盆栽を広めていきたいとお考えですか?
盆栽はやはり「和の空間」づくりが得意です。カジュアルなイメージの和モダンのインテリアに、盆栽を置くだけでガラリと雰囲気が変わり、重厚な和の重みを感じさせる空間にする力も持ち合わせているんです。
京都、もちろん宇治も、和の世界を大切にする文化がありますので、多くのお店がお店の装飾に盆栽を選んでいただけるよぅになれば嬉しいです。さらに街全体に盆栽の文化が広まることで、宇治や京都がより日本らしい場所となり、街全体の価値を高め、地元の方にも観光客の方にもさらに愛されるようになれば嬉しく思います。
盆栽は実際に生で見ていただくことでその魅力が伝わると思いますので、少しでもたくさんの場所に盆栽と、盆栽のある空間を提供していければと思います。
※画像のご提供ありがとうございました
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